松尾曜子
ニラ⑶
ニラの包容力
さて、ニラの最終回。
ニラって、どこを触ってもツルツルなんです。
そういえば、他の球根植物もほとんどが毛が生えていないな…。
ニラと同じ科のヒガンバナには毒があるし、
毒の無い他の球根植物も虫が来るイメージがあまりない。
植物の毛の役割は、強すぎる日光を遮ったり、
風の影響を抑えたり、虫や獣除けだったりする。

▶︎トマトにある毛の様子。
結構チクチクします。

▶︎ニラの葉の様子
全体的に毛は見受けられない。
表面的に防御するような形が見られないのは、
内部に何か特別なものがあるのかな?
ニラには、強烈な匂いがあるよね。
妖精がいそう、なんて前回軽々しく言ってたけど、
少しでも傷をつけると、
一気に中華屋さんの厨房にトリップ。
ニラの匂い成分は、アリシンという物質。
ニンニク、玉ねぎ、ネギなどにも含まれていて、
防カビ、強い抗菌作用があると言われているそう。
確かに、ニンニクや玉ねぎの皮はカビているのを見たことあるけど、
中がカビているのは見たことないかも。
なるほど、外的要因で腐る可能性が低いから、
毛で防御する必要がない。
環境に左右されない芯の強さ。
頼もしい。
でも、それは同時に、
環境の変化を一度は受け入れている、ということでもあるわけで。
(※3と水星の特徴とも通じるね、動きの中でふたつを結びつける性質。)
そこに見えるのは、
どうぞいらっしゃい、という余裕の姿勢。
力強さの中に、果てしない包容力。
ニラは何度刈り取っても、また葉が出て来るし、
そういうところも、気前の良さというか、小さいことを気にしない雰囲気を感じる。
小さな白い花をたくさんつけて、可憐な姿の中に、
懐の深い、肝っ玉な気質がみえてくるから面白い。

ニラがたっぷり入る餃子も、包まれている形をしているね。
ニラの包容力にあやかりたいなら餃子を食べる、っていうのもありかもしれない。
___お読みくださりありがとうございます。
次回は来週。
コスモスを見てみようかな、と思ってます。
見かけたらぜひ観察してみてください。
ちなみに花びらの数は3でも6でもありません。